KARAO.com

karao Diary
カラオ編集長のひとりごと。

徹底検証?新聞の議席予測の的中度

2005年09月29日

[9/29 16:23 一部追記&修正]

9月11日の総選挙からはや半月以上が経過しようとしています。ブログ選挙とかワンイシュー選挙とかイロイロと言われていますが、個人的に注目したのが選挙前に新聞社が発表した「議席予測」。

surveyML(正しくは「インターネットサーベイML」って言うんですね。いままで知りませんでした…)というメーリングリスト内で、この議席予測に関する議論もあって、興味深く見たり私も投稿したりしたのですが、じっさいのところ各社の予測数字がどうなっていたのかが気になってきました。

ネットを探したもののそれらしきものは発見できず、仕方なく自分で作ってみることにしました。

その前に、各紙がどのようなかたちで議席数予測を発表したのか、まずはそこからチェックしてみます。

新聞社潔さ総評
毎日新聞各政党の予測数を表に。「248〜294」のように表記。
朝日新聞各政党の予測数を表に。「234〜255〜276」のように表記。中央の数値が本命。
日経新聞表はないものの記事にて「113議席が確実。有力を含め160議席にとどまる。接戦をすべて制した場合でも190議席に届かない」など、主要政党の具体的な予測数が一桁台まで読み取れる。
産経新聞表はなし。記事に議席数が記載されているものの、一部未記載のものもある。
読売新聞×表はなし。記事に議席数が記載されているものの「70台」など十の位までしか記載がなく、すべての数値に「140議席前後」など、前後という文言が付記されている。グラフも見にくい。

表形式で予測数値をババンと発表したのは毎日新聞と朝日新聞の2社のみ。日経新聞は記事中に予測数値が表記されているのでこれもOKといえるでしょう。

一方産経新聞と読売新聞は数値の公表も控えめ。自信がないのか出し惜しみしているのか分かりませんが、せっかく大規模な調査も仕掛けているワケですから、ここはズバッと出した方が潔いと思いますね。

【ご注意】
以下に掲載している表では、比較しやすくするため各紙の数値を記載していますが、上記のように各紙によって表記方法が異なる点には御注意下さい。特に、数値をハッキリ公表しない傾向にある産経・読売新聞については、表における数字の一部は作者による判断(といっても、足し算するとか引き算するとかのレベルですが)の部分も含まれます。

さてさて、では最初に、自民党の議席予測状況を。なお、実際の獲得議席数は296でした。


当選圏獲得有力可能性備考(記事中での表現を抜粋)
毎日新聞248
294自公連立全体では「自公で過半数」を大きく上回り300台をうかがう
産経新聞239269に迫る309239議席の獲得を確実に。70選挙区では、なお民主党などと競り合っているが269に迫っている。
日経新聞200250280近くやや劣勢な選挙区をすべて競り勝った場合、280近くまで伸びる
朝日新聞234255276
読売新聞210台
275〜280?可能性の数値は記事中にも言及がないため、編集部にてグラフから読み取った「275〜280」を記載。(グラフ、グラデーションがかかっているため見にくい!)

記事中の数字を拾ってきたのですが、産経新聞が一応可能性として309議席までを範疇に入れていたというのがポイント。あと、毎日新聞は表形式できっちり「294」を可能性として示唆していますので、日曜日発表というハンディを考慮すれば、これも高精度といっていいんじゃないでしょうか。

続いて、民主党の議席予測状況を。なお、実際の獲得議席数は113でした。


当選圏獲得有力可能性備考(記事中での表現を抜粋)
毎日新聞124
165
産経新聞90台

当選を確実にしたのは90台
日経新聞113160190未満113議席が確実、有力含め160にとどまる。接戦をすべて制した場合でも190に届かない。
朝日新聞144163183
読売新聞90台
190前後100人前後の候補が当落選をはさむ攻防

「113議席が確実」という、日経新聞が報じた民主党の獲得議席予測の最低ラインしか、実際の議席を確保できなかった民主党。自民党への「風」がいかに強かったかを物語っています。

逆に言えば、日経新聞の「確実」ラインの読みはかなり当たっていたと言えそう。

産経新聞と読売新聞はともに「90台」を当選圏としており、当たったことになりますが、読売新聞は「90台〜190前後」と予測にかなりの幅があるので、そんだけ幅をもたせていれば当たるだろ!と思わずツッコミたくもなります。

やっちゃったのが朝日新聞で、最低ラインで144、163が有力と予測。民主党に肩入れしている朝日新聞ですから、これは「社風」ってことでしょうね(冷笑)

という皮肉はさておき、日経新聞も160議席を獲得有力としていることから、おそらく世論調査結果からそれなりの結果が出ていたと推測されます。

最後に、各紙の「小選挙区」「比例」それぞれの予測状況をば。

実際の獲得議席数自民党民主党
小選挙区
219
比例
77
小選挙区
52
比例
61
毎日新聞179〜21669〜7862〜9762〜68
産経新聞当選確実圏内に到達したのは約40前回72議席の確保は厳しく、比例第1党の座を明け渡す可能性
日経新聞134議席を固め、180議席の獲得も有力66議席を確保、70議席に届く勢い46議席が確実、91議席獲得が有力、さらに25議席の上積みの可能性67議席を固め70議席台を視野
朝日新聞166〜179〜19268〜76〜8485〜97〜11059〜66〜73
読売新聞140議席前後が当選圏70議席台をうかがう30議席前後が当選圏、100人前後の候補が当落選をはさむ攻防60議席台にとどまる可能性が高い

毎日新聞がけっこういい線行っていると思うのですが、どうでしょうか?

また、民主党の小選挙区議席数予測が難しいようで、朝日新聞は最低85とか読んでて最悪。日経も「46〜91〜116」という読みなのですが、結果は最低ラインに近く、プラスアルファの部分を強く読んだ傾向にあります。

と、こうやって各社の数値を見てみると、民主党を少々強めに読んだのが予測ハズしの大きな敗因でしょうねやはり。

ただ、今回の選挙、解散をしてから各社ともに定期的に世論調査をしていて、確か

・解散直後は自民党支持が急増
・その後、民主党が盛り返す

という結果が出ていたはず。

*この結果で「国民も、小泉劇場の余韻が冷めて冷静になった」なんてしたり顔で話すコメンテーターを何人も見た記憶があります。

おそらく新聞社の調査部も、そういうトレンドで民主党が少し盛り返すことを含めて議席数予測を出してきたんじゃないでしょうかね。

もちろん、実際のトコロどうだったのかは闇の中ですが…。

ということで、ざっくりと各社の数値をまとめてみました。ご参考まで。

Posted by karao at 2005年09月29日 14:59
この記事のTrackBack URL:http://www.karao.com/diary/mbtp/mt-tb.cgi/496

前の記事:早起きの損得勘定
次の記事:東京都立図書館
Comments
Trackback
Post a comment









Remember personal info?







karao Diaryトップ
ランキング
シングル新譜
アルバム新譜
DVD新譜
洋楽新譜
トップページ





Copyrights (C) KARAO.com All Rights Reserved. HOMEKARAO.comとはお問い合わせ