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Web Special
初登場作品から見るシングルCD市場
2004/04/18掲載
カラオがメールマガジンやウェブサイト上にて発表している週間シングルランキング。それを見るまでもなく、毎週毎週新曲が多数初登場しています。今回の「Web Special」では、そんな「初登場作品」にスポットをあててみたいと思います。

初登場作品に注目すると、意外な事実が浮かび上がってきました。
◆5年間で実に1.7倍!? 急増する初登場作品数

まずは、カラオのシングルランキングにどれだけの初登場作品がランクインしているのか、比較可能な1996年からのデータをまとめてみました。毎週発表しているシングルランキングはBest30ですので、30位以内に初登場した作品数をカウントしています。

▼Best30圏内初登場作品数の推移

(2003年までは実績値。2004年は3月までの実績値をもとに推計)

グラフをみると一目瞭然、初登場作品が爆発的に増えていることがお分かりいただけるかと思います。2003年には500作品の大台を突破。5年前(1998年)の304作品に比べ、69.4%も増加しています。

今年については、3月までの動きをもとにすると若干減ると推計されますが、それでも依然として高水準を維持することは間違いないところです。

なぜここまで初登場作品の数が増えたのか、いくつかの要因が考えられます。

【初登場作品急増の裏側】
・レコード会社側の「物量作戦」
レコード会社側にとって、売上を増やすには「1作品あたりの売上枚数を増やす」ことと「作品数を増やす」ことが選択肢としてあげられる。ところがシングルCDはここ数年非常に売れなくなってきており、DVDを付けたり、ジャケットを複数種類用意してひとりの人に何枚も買ってもらおうと努力はしているものの限界に近く、「1作品あたりの売上枚数を増やす」のはよほどのことがないと不可能になっている。そうなってくると必然的に「作品数を増やす」方向に走って行かざるを得ない。作品数が増えれば、初登場作品数も伸びていく。

・リスナー側の「新作」消費スピードの加速
一般的なリスナーが、絶えず新しい作品を“消費”していく傾向を強めていることも要因の1つと言えそう。リリース数増加による側面もあるが、新しモノ好きで飽きやすい層は増えていると考えられる。また、新作が大量生産されることによって「1作品1作品にこめられるもの」が少なくなっていることも“飽き”の一因と考えられます。

・初登場するために必要な売上枚数の低下
今回の集計は「週間ランキングBest30圏内」に初登場した作品の数をカウントしています。30位以内に入るためにはある程度CDが売れないとランクインできないのですが、シングルCDが売れなくなったことでその「敷居」は確実に低くなっています。
数年前であれば1万枚前後の売上がなければ30位圏内には入れなかったのですが、最近では5000枚弱の売上でも顔を出すことが可能になっています。
◆薄れる「発売直後の購入」、2003年は初登場1位より初登場3位の方が多かった

もう1つ、別の角度からシングルランキング初登場作品を眺めてみたいと思います。今度は「初登場順位」に着目してみました。まずは「初登場1位」の作品が毎年何作品あったのかをまとめたグラフをご覧下さい。

▼「初登場1位」作品数の推移

(実績値)

2000年と2001年の37作品をピークに、実は「初登場1位」作品数は減少傾向にあることが今回の集計で判明しました。初登場1位作品が少なくなっていることは、再浮上1位作品または複数週連続1位作品が増えていることの裏返し。

つまり、みんながみんな同じモノを聴くという一極集中現象時代が終わり、多様性・分散の時代にシフトしていることを示唆するデータだと考えられます。

▼初登場作品の順位別分布(2003年)

(実績値)

上のグラフは、2003年に初登場してきた515作品が、それぞれ何位にランクインしたのか、その割合を示したものです。興味深いのは「初登場1位」より「初登場3位」の方が多かったということ。

1998年から2002年までは、いずれの年も「初登場1位」が最も多かったのですが、その流れにも変調の兆しがあらわれています。発売前からみんなが期待し、発売と同時に一斉に購入に走る、といったメガヒット作品がなくなる一方、平原綾香「Jupiter」や大塚愛「さくらんぼ」のように、初登場順位は低いながらもロングヒットを記録する作品や、初登場から複数週にわたって首位をキープする作品が増えているようです。
◆初公開!初登場作品の順位別分布

2003年の初登場作品順位別分布は上のグラフのとおりなのですが、せっかくですのでここで1996年以降の全データを集計した順位別分布を初公開したいと思います。

▼初登場作品の順位別分布

(1996年1月〜2004年3月までの実績値)

全体を通してみるとやはり初登場1位が圧倒的に多く全体の7.6%を占めています。また「初登場30位」というのが4.2%と多くなっているのも特徴的なところではないでしょうか。

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