初夏の「ベスト盤特集」もついに今回で最終回を迎えます。過去2回の分析を踏まえつつ、最終回はベスト盤を次に出しそうなアーティストを分析してみました。 リリースされるかどうかは分かりませんが、かなり濃厚な方々も含まれているかも…。さっそくチェック！

ベスト盤をリリースしそうなアーティストを客観的なデータだけで予測するのは結構難しいものがあります。そこでカラオでは「過去5年間のシングル総売上」と「リリース枚数」の2つの要素をもとに、まずは「ベスト盤ヒット可能性ランキング」を作成しました。

その結果から「過去5年間に5枚以上シングルをリリース」し、かつ「過去にベスト盤をリリースしていない（リリースから相当期間経っている）」アーティストのみをピックアップし「リリースしそうなアーティスト」としました。

トップは宇多田ヒカルに決定！といいつつも、彼女はベスト盤を最も発売しなさそうなアーティストの1人でもあるので、正直何となく複雑な感じもしております。

ただ売上と枚数の2要素による集計結果で、ミスチルやB'z、GLAY、浜崎あゆみ、KinKi Kids、スピッツなど彼女の上に位置していた方々がことごとくベスト盤をリリースしていたため、このような結果になりました。

ランキングを違った角度からみると、ベスト盤に対するレコードメーカーの取り組みが透けて見えてきます。

その大きな特徴は、各種ランキングで必ずといっていいほど顔を出すエイベックス系アーティストが、今回ばかりは皆無である点。 既にglobe、安室奈美恵、浜崎あゆみ、TRF、Every Little Thing、V6などがベスト盤を出しており「次に出せそうなアーティストがいない」という状況になっています。

少しショービジネス的な話をすると、エイベックスは東証一部上場企業なので数字＝売上を出さないと市場の評価が下がってしまい、売上のかさ上げのため自ずとベスト盤を出さざるを得ない側面もあります。逆に言えば、ソニーミュージックも東芝EMIもビクターエンタテインメントも「非上場企業」なので、数字ばかりを追わなくて済む分余裕があるのかもしれません。

avexとは逆に、ベスト盤をリリースしそうなアーティストを多く抱える、いわば「ベスト盤のリリース余力がある」レコードメーカーをここでチェック。

【リリース余力のある主なレコードメーカー】

◆トイズファクトリー
ついにミスチルのベストをリリースしたものの、ゆずやSOPHIAを温存していて、かなり堅実

◆東芝EMI
宇多田ヒカル・椎名林檎のダブルコンビはベスト盤リリースにはまだ早すぎるのでしっかりキープ

◆ソニーミュージック系
アーティストを数多く抱えるだけあって、ラルクやPUFFY、ジュディマリ、鈴木あみ、ゴスペラーズなどがベスト盤を出していても、ブリグリやポルノグラフィティ、平井堅などストックは十分確保か

◆ビクターエンタテインメント
SMAPのベスト盤が印象的だったビクター、Dragon Ash、Kiroro、19といった切り札がたくさんあり余裕はかなりありそう